
「相続人の一人と何年も連絡が取れない」
「住所も分からず、手紙を送っても返事がない」
「相続人が行方不明のままでは、相続手続きを進められないの?」
相続手続きを進めていると、このようなお悩みに直面することがあります。
遺言書がなく、遺産分割協議によって財産の分け方を決める場合、原則として相続人全員が話し合いに参加する必要があります。そのため、相続人の中に連絡が取れない方や行方不明の方がいると、遺産分割協議や相続登記などの手続きを進められなくなることがあります。
しかし、だからといって相続手続きを諦める必要はありません。
一定の要件を満たしている場合には、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てることで、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加してもらう方法があります。
この記事では、鹿児島のかぜのおか司法書士法人が、連絡が取れない相続人がいる場合の対処法について、手続きの流れや費用、自分で手続きする場合と専門家に依頼する場合の違いまで分かりやすく解説します。
1. 連絡が取れない相続人がいる場合の基本的な対処法
相続人の一人が連絡を取れなくても、勝手に除外することはできません
まず知っておきたいのは、相続人の一人が連絡を取れないからといって、その方を除外して相続手続きを進めることは原則としてできないということです。
遺言書がなく、遺産分割協議によって財産の分け方を決める場合には、原則として相続人全員が遺産分割協議に参加する必要があります。
例えば、父親が亡くなり、相続人が長男・次男・長女の3人だったとします。
長男と長女は連絡が取れるものの、次男とは10年以上連絡を取っておらず、現在の住所も分からないというケースです。
この場合、
「次男は何年も連絡を取っていないから、いないものとして手続きを進めよう」
ということはできません。
次男が法律上の相続人である以上、原則として次男を含めて相続手続きを進める必要があります。
「連絡が取れない」と「行方不明」は同じではありません
「連絡が取れない相続人」と「行方不明の相続人」は、必ずしも同じではありません。
例えば、次のようなケースです。
- 電話に出ない
- メールやLINEに返信がない
- 手紙を送っても返事がない
- 遠方に住んでいて連絡が取りにくい
このような場合には、まず現在の住所や連絡先を確認し、相続について正式に通知することが重要です。
一方で、次のような事情がある場合には、「不在者」に該当する可能性があります。
- 現在の住所が分からない
- 住民票上の住所にも住んでいない
- 長期間にわたって所在が分からない
- 手紙を送っても「宛所なし」などで返送されてくる
このような場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる方法があります。
まずは自分で相続人の所在を調べる
相続人と連絡が取れない場合、いきなり家庭裁判所へ申し立てるのではなく、まずはその方の所在を確認するための調査を行います。
相続人の住所を確認する方法の一つが、戸籍や戸籍の附票の取得です。
戸籍の附票には、その方の住所の履歴が記録されています。
最後に確認できる住所を把握したら、その住所に手紙などを送って連絡を試みます。
手紙には、次のような内容を記載するとよいでしょう。
- 被相続人が亡くなったこと
- 自分が相続人であること
- 相続財産の概要
- 遺産分割協議が必要であること
- 連絡をお願いしたいこと
送った手紙が「宛所なし」などで返送された場合には、それ自体が不在の事実を示す資料となる場合があります。
2. 不在者財産管理人の手続き・流れ・費用
不在者財産管理人とは?
所在が分からず、長期間にわたって連絡が取れない相続人がいる場合には、家庭裁判所に「不在者財産管理人選任」の申立てを行う方法があります。
不在者財産管理人とは、簡単にいうと、行方不明となっている相続人の財産を本人に代わって管理する人です。
家庭裁判所によって選任された不在者財産管理人が、一定の手続きを経たうえで、遺産分割協議に参加することになります。
つまり、行方不明の相続人を無視して相続手続きをするのではなく、家庭裁判所が選任した人に本人の立場で手続きに参加してもらうという仕組みです。
不在者財産管理人を選任するまでの流れ
相続人を確定する
戸籍を収集して、誰が相続人なのかを確定します。
連絡が取れない相続人の所在を調査する
戸籍や戸籍の附票などを確認し、最後の住所地などを調査します。
本人に連絡を試みる
判明した住所に手紙を送るなどして、相続について連絡を取ります。
不在者財産管理人の選任を申し立てる
本人の所在が分からず、相続手続きを進める必要がある場合には、家庭裁判所に申し立てます。
家庭裁判所が不在者財産管理人を選任する
家庭裁判所が事情を確認し、適切な人物を不在者財産管理人として選任します。
必要に応じて権限外行為許可を申し立てる
不在者財産管理人が遺産分割協議に参加するためには、家庭裁判所の許可が必要となる場合があります。
遺産分割協議を行う
不在者財産管理人を含めて遺産分割協議を行い、協議が成立したら遺産分割協議書を作成します。
相続登記などを行う
遺産分割協議が成立した後、相続登記や預貯金の解約・名義変更などの手続きを進めます。
不在者財産管理人の選任申立てに必要な書類
家庭裁判所への申立てでは、一般的に次のような書類を準備します。
不在者財産管理人選任申立書
不在者の戸籍謄本
不在者の戸籍附票
不在であることを証明する資料
不在者の財産に関する資料
被相続人の戸籍謄本
申立人の戸籍謄本
相続関係説明図
被相続人の財産に関する資料
遺産分割協議案など
ただし、必要書類は個別の事情や家庭裁判所によって異なる場合があります。
不在者財産管理人にかかる費用
不在者財産管理人を利用する場合、費用は大きく分けて次のように考える必要があります。
家庭裁判所への申立てに必要な費用
不在者財産管理人に関する費用
司法書士など専門家へ依頼する場合の報酬
相続登記など、その後の相続手続きに必要な費用
家庭裁判所に納める費用
申立てには収入印紙や予納切手などが必要です。
当事務所の案内では、不在者財産管理人選任申立てについて、収入印紙800円、予納切手(裁判所によって異なる)としています。
不在者財産管理人の報酬・予納金
不在者財産管理人が選任された場合、家庭裁判所の判断などによって報酬が発生することがあります。
また、不在者財産管理人の業務に必要となる費用について、申立人が予納金を納めるケースがあります。
当事務所では、案件によっては依頼者に100万円程度の準備をお願いしています。
ただし、これは「必ず100万円かかる」という意味ではありません。
実際の予納金額は、申立後に家庭裁判所が判断します。
「不在者財産管理人の手続き=必ず100万円必要」ではありません。
予納金が必要となるか、またその金額については、個別の事情や家庭裁判所の判断によって異なります。
司法書士への依頼費用
司法書士へ依頼する場合には、相続人調査、不在者財産管理人選任申立てのサポート、遺産分割協議書の作成、相続登記など、どこまで依頼するかによって費用が変わります。
かぜのおか司法書士法人では、相続登記について、必要書類の収集から不動産の名義変更までを行うサポートを165,000円(税込)から案内しています。
また、複数の相続手続きが必要な場合には「相続手続き丸ごとサポート(遺産整理業務)」も用意しています。
遺産整理業務では、不動産だけでなく、預貯金、株式、投資信託などの相続財産について、財産調査や名義変更、現金化、相続人調査などを行います。
3. 自分で手続きする場合と司法書士に依頼する場合の比較
自分で手続きすることはできる?
不在者財産管理人の選任申立て自体は、本人や利害関係人が行うことができます。
そのため、必ず司法書士に依頼しなければならないわけではありません。
ただし、相続人調査から不在の事実の確認、必要書類の収集、家庭裁判所への申立て、その後の遺産分割協議や相続登記まで、多くの手続きを行う必要があります。
自分で手続きする場合
3. 自分で手続きする場合と司法書士に依頼する場合の比較
自分で手続きする場合は、相続人調査からすべて自分で進める必要があります
不在者財産管理人の選任申立ては、自分で手続きを進めることもできます。
しかし、実際には「申立書を書いて裁判所に提出するだけ」という簡単な手続きではありません。
まず相続人を確定するために戸籍を集め、連絡が取れない相続人の住所を調査します。そのうえで、本人に連絡を試みたことや、現在も所在が分からないことを示す資料を準備し、家庭裁判所へ申立てを行います。
さらに、申立て後に家庭裁判所から追加の資料や説明を求められた場合には、その都度対応しなければなりません。
不在者財産管理人が選任された後も、遺産分割協議や相続登記など、相続を終えるまでには複数の手続きが残っています。
「相続人と連絡が取れない」というだけでも、相続手続きは一気に複雑になります。
自分で進める場合は、必要な手続きを一つずつ確認しながら対応する必要があります。
司法書士に依頼すれば、面倒な相続手続きをまとめて任せられます
司法書士へ依頼する場合は、相続人調査や戸籍収集など、専門的な知識が必要となる作業を任せることができます。
かぜのおか司法書士法人では、相続人が行方不明・連絡が取れないケースについても、現在の状況を確認したうえで、必要となる手続きを整理してサポートしています。
例えば、次のような作業をまとめてご相談いただけます。
- 相続人の調査・確定
- 戸籍・戸籍附票などの必要書類の収集
- 連絡が取れない相続人の所在調査に関するサポート
- 不在者財産管理人選任申立てに必要な書類の準備・作成サポート
- 家庭裁判所の手続きについてのご相談
- 遺産分割協議書の作成
- 相続登記
- 預貯金などの相続手続き
- 相続財産の整理
「何から始めればいいのか分からない」という状態でも、まずご相談いただけます。
自分でやる場合と専門家に依頼する場合の違い
| 主な作業 | 自分で手続きする場合 | 司法書士に依頼する場合 |
|---|---|---|
| 相続人の確認 | 戸籍を自分で集め、相続人を確認します。 | 戸籍を収集し、相続人を調査・確定します。 |
| 行方不明の相続人の調査 | 戸籍や戸籍附票などを調べ、自分で所在を確認します。 | 必要な書類を確認しながら、所在調査を進めます。 |
| 連絡を取る | 住所が判明した場合、自分で手紙などを送って連絡します。 | 連絡が取れないことを含め、次に必要な手続きを相談できます。 |
| 不在の証明 | 手紙の返送など、不在であることを示す資料を自分で準備します。 | 申立てに必要となる資料について確認・準備をサポートします。 |
| 家庭裁判所への申立て | 申立書を作成し、必要書類をそろえて自分で申立てを行います。 | 不在者財産管理人選任申立てに必要な書類の作成・準備をサポートします。 |
| 裁判所からの追加対応 | 裁判所から求められた資料や説明について、自分で対応します。 | 手続きの進め方について専門家へ相談できます。 |
| 遺産分割協議書 | 自分で内容を確認し、作成します。 | 遺産分割協議書の作成を依頼できます。 |
| 相続登記 | 必要書類をそろえて、自分で法務局へ申請します。 | 相続登記を司法書士へ依頼できます。 |
| その他の相続手続き | 金融機関など、それぞれの窓口で自分で手続きをします。 | 預貯金などの相続手続きについてもまとめて相談できます。 |
専門家に依頼すると「何をすればいいか分からない」状態から抜け出せます
行方不明の相続人がいる場合、最も大変なのは、手続きそのものだけではありません。
「そもそも、このケースでは何の手続きが必要なのか」を判断することにも専門的な知識が必要です。
例えば、単に連絡が取れないだけなのか、所在が分からない「不在者」として不在者財産管理人の選任が必要なのかによって、その後の対応は変わります。
また、相続人が複数いる場合には、相続人調査や遺産分割協議、相続登記などを別々に考えるのではなく、相続全体の流れを整理して進めることが重要です。
専門家に相談することで、現在の状況から「まず何をすべきか」「どの手続きが必要なのか」「どこまで自分で対応して、どこから依頼するのか」を整理できます。
こんな場合は、早めにご相談ください
次のような状況に当てはまる場合は、無理に自分だけで手続きを進めず、一度専門家へご相談ください。
- 何年も連絡が取れない相続人がいる
- 相続人の現在の住所が分からない
- 手紙を送っても返送されてくる
- 相続人が多数いて、誰が相続人なのか整理できていない
- 家庭裁判所への申立てが必要なのか分からない
- 相続登記までまとめて終わらせたい
- 仕事や遠方のため、戸籍収集や相続手続きに時間をかけられない
かぜのおか司法書士法人では、相続人が行方不明・連絡が取れないケースについても、まず現在の状況をお伺いし、必要な手続きを整理するところからサポートしています。
「まだ依頼するか決めていない」「自分でできるか知りたい」という段階でも構いません。
相続手続きが進まずお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。
専門家への依頼がおすすめなケース
特に、次のようなケースでは、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
- 相続人が多数いる
- 長期間連絡が取れない相続人がいる
- 相続人の住所が分からない
- 海外に住んでいる相続人がいる
- 相続財産が複数ある
- 相続登記も同時に進めたい
- 家庭裁判所への申立てに不安がある
4. かぜのおか司法書士法人のサポートと解決事例
かぜのおか司法書士法人に依頼するメリット
かぜのおか司法書士法人では、相続人が行方不明の場合について、相続人調査から遺産分割協議書の作成、相続手続きまで一連のサポートを行っています。
状況に応じて、次のような手続きをサポートしています。
- 相続人調査
- 戸籍など必要書類の収集
- 不在者財産管理人選任申立てのサポート
- 遺産分割協議書の作成
- 相続登記
- 預貯金などの相続手続き
- 遺産整理業務
相続人が行方不明になっているケースでは、
「誰に何を依頼すればよいのか分からない」
という状態からご相談いただくことも可能です。
まず現在の状況を確認し、必要な手続きを整理することから始めましょう。
当事務所の実際の解決事例
5年間行方不明だった相続人がいるケース
実際に当事務所へご相談いただいたケースでは、父親が亡くなり、その土地を相談者の名義に変更したいというご希望がありました。
しかし、相続人の中に5年前から行方不明となっている方がおり、相続手続きを進めることができない状態でした。
相談者は新しい家を建てる予定があり、できるだけ早く土地の名義を変更したいという状況でした。
そこで、今後も行方不明の状態が続く可能性が高いことから、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる方法をご提案しました。
その後、家庭裁判所から必要な許可を得たうえで遺産分割協議を進め、最終的に不在者財産管理人を含めた遺産分割協議を成立させ、土地の名義を相談者へ変更することができました。
このように、相続人の一人と連絡が取れないからといって、相続手続きそのものを諦める必要はありません。
状況に応じて適切な手続きを選択することが重要です。
まとめ
相続人の中に連絡が取れない方や行方不明の方がいる場合、その方を除外して相続手続きを進めることは原則としてできません。
まずは戸籍や戸籍の附票などを利用して所在を確認し、判明した住所へ手紙などで連絡を試みます。
それでも所在が分からず、長期間にわたって連絡が取れない場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることで、相続手続きを進められる可能性があります。
ただし、相続人調査、必要書類の収集、家庭裁判所への申立て、遺産分割協議、相続登記など、対応すべきことは多岐にわたります。
「どこまで自分でやればいいのか分からない」「家庭裁判所への申立てが必要なのか判断できない」「行方不明の相続人がいるため相続登記が進まない」という方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
鹿児島で相続人が行方不明・連絡が取れない場合は、かぜのおか司法書士法人へご相談ください
かぜのおか司法書士法人では、相続人調査から遺産分割協議書の作成、相続登記など、相続手続きをまとめてサポートしています。
相続人が行方不明の場合についても、現在の状況をお伺いしたうえで、必要となる手続きを分かりやすくご説明します。
初回相談は無料です。
「相続人と連絡が取れないけれど、どうすればいいか分からない」という段階でも構いません。
お気軽にご相談ください。
電話:0120-976-076
受付時間:平日9:00~18:00
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